コメント
「写真家出身の画家が時折自撮の阿波木偶のポストカードを送ってくれますが、光と闇を見つめているような深い眼差の人形の背後に現在の作品が浮かび上がってくるのです。それは画面に拡がる色彩のみの抽象画で硬質でありながら、繊細なマチエールや遠い想念へと誘う色彩を包むように画家の内なる命が漂ってきます。表現手段は違っていてもそれが両者に画家の存在そのものを感じさせてくれるのです。それこそが画家にとっての無形の形ではないかと思います。抽象であれ具象であれ、それがないならば虚しい記号とスタイルだけの作品と化してしまうのではないでしょうか。私はたとえ微かだとしても内なる命の声と対話し続けながら、無形のかたちを表現していきたいと希っています。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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