コメント
「人間ではなく鳥の方が、この世のものでもあの世のものでもない世界が見る側に伝わってくるのではないかと思いました。そして、その背景は現代的なビルなどではなく、中世の建物の方がふさわしかったのです。(中略)
僕の作品は意識して作られるものではなく、身に染み込んだものが否応なく滲み出たかたちなのです。(中略)
絶筆までの十年間は白昼夢のようなぼおっとした世界が描きたい??かたちの枠にとらわれずに、一見抽象だけどよく見たら質感もあって具象だというような。そんな夢幻のような絵が打ち止めに描けたら非常に幸せだなと思っているんですよ。」
(『版画藝術』第97号より)
略歴
- 1934年
- 熊本県水俣市生まれ
- 1963年
- 第18回熊日総合美術展・受賞
- 1968年
- 第8回現代日本美術展(73年、75年も)
- 1971年
- 戦後美術のクロニクル(神奈川県立近代美術館)
- 1974年
- バーゼル国際画商展(スイス、76年も)、詩画集『彼岸花』と銅版画集『わらべ唄』(共に南天子画廊)刊行
- 1975年
- ユベスキュラ国際版画トリエンナーレ(87年も)
- 1977年
- 歌画集『蝶紋』(東京美術)刊行
- 1982年
- 日本銅版画史展(東京都美術館)
- 1985年
- 詩画集『静物考』(南天子画廊)刊行
- 1989年
- 版画集『舊約聖書「詩篇」より』(南天子画廊)刊
- 1995年
- 個展(大川美術館)
- 1997年
- 詩画集『われらにさきかけてきたりしもの』(南天子画廊)刊行
作品紹介
《われらにさきがけてきたりしものⅢ》
1997年 25.7×16.9cm
エッチング