コメント
「版が紙に圧着され、色と輪郭をもったかたちがあらわれる。あたかも、そうあらわれるしかなかったというようなかたちとして。
色面の豊かさや線の切れ味といった木版の持つ魅力を、過不足のないかたちとして摺り上げること。個々の作品には視覚的な効果や形の面白さなど造形上の試みや変化を求めるとしても、木版をシンプルに捉えて、伝統的な技法で摺るという取り組み方は変わっていない。
木版には、彫って摺るプロセスを通して、そこに長く培われてきた感性や美意識と、今まさに向き合えるという面白さがあり、それを現代の美術としてあらためて問い直すということが、木版を手がけることの意義でもあると考えている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1948年
- 愛知県に生まれる
- 1966年
- 第17回具体美術展(第18、19、20回も)
- 1971年
- 関西学院大学文学部美学科卒業
- 1977年
- 第2回現代版画コンクール展(大阪府民ギャラリー)・佳作賞
- 1978年
- 第1回ジャパンエンバ美術展コンクール・神戸っ子賞
- 1979年
- アート・ナウ'79(兵庫県立近代美術館)
- 1980年
- 第32回京展(京都市美術館)・版画部門京展賞、第3回世界版画展(アメリカ)・佳作賞
- 1984年
- 第2回京都美術工芸選抜展(京都府立文化芸術会館)・買上賞
- 1987年
- 国際版画交流展(韓国)
- 1990年
- 第11回ザイロン国際木版画展(スイス)
- 1993年
- 太田万国博国際グラフィックアート展(韓国)
- 1999年
- 現代版画・21人の方向(国立国際美術館)
作品紹介
《WORK-293 》
1999年 80×65cm
木版