コメント
「早朝というには陽はもう高い。何となく表に出てみると、そこだけはまだ誰にも踏み荒らされていない朝日に輝く新雪を見つけて驚き、眩しさに思わず目を細めながら近くまで行くと、そこにはついさっきつけられたような何者かの足跡がある。つい数分前、もしかして数十秒前までそこにいたかもしれない森に棲むもののことを思い描いてみる。 その足跡が春の訪れを告げているような気がする。 この夏の終わりに吉野梅郷に転居した。夕暮れになるとすぐ近くの森からムササビが外出のあいさつをしてくれる。樹木に囲まれたこの地で、季節の音を聞き分けながら制作していきたい。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1962年
- 東京に生まれる
- 1988年
- 東京芸術大学大学院修士課程修了
- 1986年
- 第5回ソウル国際版画ビエンナーレ(韓国)
- 1987年
- 第2回和歌山版画ビエンナーレ(和歌山県立近代美術館)、第17回リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(旧ユーゴスラビア)、第55回日本版画協会展・奨励賞
- 1989年
- 第4回中華民国国際版画ビエンナーレ・佳作賞(台北市立美術館、92年は招待)
- 1990年
- 現代の版画1990(渋谷区立松涛美術館)
- 1991年
- スコットランド・アバディーン・ユースフェスティバル招待作家
- 1994年
- 文化庁芸術インターンシップ(95年まで)
- 2003年
- 第3回飛騨高山現代木版画ビエンナーレ・奨励賞(11年準大賞)
作品紹介
《春のおとずれ》
1999年 73×103cm
木版
《LIFE WITH A DOG(A)》
2010年 61×61cm
木版