コメント
「眼にとまったパラグラフや気持ちの良い言葉をランダムに書き留めておいて、そうした言葉の羅列から自分のための原風景をゆっくりと紡いでいく――そして私自身が、ある程度離れたところからそれを眺めている。私はその風景の中にはいないし、触れてもいない。両者の間にはいつも<距離>がある。そこには時間的・空間的な隔たりだけでなく、音楽とも呼べないような僅かな音の連なりや、息をひそめて何かを待っているような漠然とした期待感も加わる。人を待っている、時間の過ぎるのを待っている――ただ静かに自分と自分のための原風景との距離を測りながら、その距離をかたちにしていく。あるいは何か別のものに置き換えていく。私にとって絵を描くことは、そうやってtranslateしていくことなのだと思う。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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