コメント
「夏の終わりにルッコラの種を蒔いた。イタリア原産のその植物は、3日程で発芽し元気な二葉がでた。黒い土の中から明るい緑色の芽が出てくるのは実に感動的だ。1ミリにも満たない小さな種の中に仕舞い込まれた生命の設計図が、空気と水と温度によって動きだした瞬間を見ているからだ。絵を描くこともこれに似ている。体の中に蓄積されたものが外界の刺激によって反応し、発酵して中から外へでてくる。それを画面に表わした物が絵である。つまり僕にとって絵を描くことは実に自然なことである。これを仕事にしてもう20年が過ぎようとしている。作品制作の主題は自然界のリズム。見る人の体内の記憶と同調して気持が良くなってくるような、そんな絵が描けたらといつも思っている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1954年
- 東京に生まれる
- 1978年
- 東京学芸大学美術科卒業
- 1980年
- イビザ国際版画ビエンナーレ(スペイン)
- 1982年
- 版画「期待の新人作家」大賞展・大賞
- 1983年
- セントラル版画大賞展
- 1984年
- 西武美術館版画大賞展
- 1985年
- 第1回和歌山版画ビエンナーレ
- 1986年
- 日仏現代美術展・佳作賞
- 1988年
- 花の表現展(埼玉近代美術館)
- 1991年
- リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(スロベニア)
- 1992年
- 現代版画コンクール・大賞(大阪府立現代美術センター)
- 1994年
- 大阪トリエンナーレ(97年住友海上賞)
- 1996年
- フレンヘン国際版画トリエンナーレ(ドイツ、99年も)
- 2000年
- クラコウ国際版画トリエンナーレ(ポーランド)・受賞
- 2001年
- 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神谷町)
- 2002年
- エイシーズギャラリー(東京)以降毎年、Bunkamura ぎゃらりー(東京、04年も)
- 2005年
- ギャラリー・ラ・メール(ソウル)
- 2007年
- NBCシルクスクリーンビエンナーレ・NBC賞
- 2011年
- 第5回スプリットグラフィックアートビエンナーレ・特別賞(クロアチア)
作品紹介
《midnight drive(g-Ⅲ)》
1998年 62×91cm
シルクスクリーン