コメント
「山村の豊かな緑と清流に囲まれて育った私は、どの作品にも、四季折々の大自然の中に生きる小動物や草花が顔を出す。野山を歩き自然と向き合っていると、心の落着きと温もりが感じられることから、おのずとあるがままの素直な気持が筆を走らせるのだろうか。風景にしても野仏にしても、誰にでも分かりやすい形に納まるのである。風化した野仏には、残された石の形から、石工の腕はこうであったろうという想像により表情を甦らせている。
経済の発展にともなって環境が整備され、便利さと共に豊かな野山の風景が狭められて行くのは、見ていて切ないものだが、自然との共存を大切に考えている人たちも増えて来たことはありがたいことである。子どもたちの心の成育のためにも、大自然の中での小動物との共存を願いつつ、自然な形を私のモチーフとしていきたい。」
(作家コメント「自然と私」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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