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「銅版画からオブジェ、そして再び銅版画へと私の表現手段は往環的に移ってきたが、アーティフィシャルな人工美の世界への偏愛の度はさらに増しているようである。この傾向は多分に文学や映像からの影響もあるだろうが、やはりそれ以上に生来の資質に拠るところが大きいように思われる。
正面性や意匠性といった人工的なものへと繋がる特性を好む私の資質は、はたしてどのように形成されてきたのであろうかと、私の内なる欠落について思うときがある。作ることの意味を自問すれば、それは私にとって、幼年期の空白の部分を垣間見ようとする衝動に近いものがあるのかもしれない。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
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