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「水彩絵具による木版画は、日本に洗練された伝統があり、私はその伝統を継承しつつ、現代の写実木版画を創造することを念願としている。
自然をよく観察し、描写することは表現の基本である。それは写実表現のみならず、抽象表現にも多くの啓示を与えてくれる。
それには最も根本的な部分で、自然の摂理や宇宙の輪廻への敬虔な精神がなければならないと思っている。それ故、私は作品の表現には単にセンスや思いつきなどを排し、自分の全人格を投入する。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
略歴
- 1918年
- 東京に生まれる
- 1941年
- 東京美術学校油絵科卒業
- 1955年
- パリ留学、国立美術学校にて木口木版を学ぶ
- 1964年
- フルブライト交換教授として、ミネアポリス・スクール・オブ・アートとプラット・グラフィックアートセンターにて木版画を指導
- 1971年
- ソビエト画家同盟の招待により、モスクワ東方民族博物館にて個展
- 1980年
- 中国政府の招待により、北京中央美術学院にて木版画指導、及び個展
- 1986年
- 個展(世界銀行ギャラリー・ワシントンD.C.、ニッポンクラブ・ニューヨーク)『北岡文雄作品集』(美術出版社)刊行
- 1990年
- 日本美術家連盟理事長
- 1993年
- 個展(キャンベラ、シドニー・日本大使館主催)以降毎年イスラエル、ヨルダン、ギリシャなどで個展
- 1997年
- 個展(カナダ・ケベック州ハル市美術館・日本大使
- 1998年
- 個展(ギリシャ・アテネ)
- 2001年
- 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神谷町)
- 2007年
- 逝去