コメント
ダットの狂える水彩や、インドの細密画に魅せられた事から銅版画にその可能性を託して線の銅版画に入り込んだのですが、(中略)私には、版画は完全に手段であって何の意味もありません。
物語性という、今のところはタブーであるらしい物に終始する事で、自分のスタイルを極めたいと思うのは、目茶苦茶な時代錯誤と思われるのでしょうが、その極め付けを求める私の偏りきった信念に、何もかまわず、とりあえずは傾倒しています。
(版画芸術158号巻頭特集 日本の現代版画 1968-1992 再掲載 作家コメントより)
略歴
- 1955年
- 八王子市に生まれる
- 1974年
- 美学校入学。木彫を志すが体力的に断念、志望を絵画に変更する
- 1976年
- 多摩美術大学絵画科入学。深澤幸雄、渡辺達正らに銅版画を学ぶ。
- 1981年
- 多摩美術大学大学院中退
- 1982年
- 第50回日本版画協会展・日本版画協会賞
- 1983年
- 初個展(番町画廊・銀座)
- 1984年
- 個展(中野紅画廊・東京、ギャラリー保坂・甲府、由美画廊・浜松、NDA画廊・札幌)
- 1987年
- 31歳で逝去
作品紹介
《領土》
1981年 48.8×40.2cm
エッチング
《久生十蘭に捧ぐ》
1982年 55×31.1cm
エッチング
《孤島》
1987年 35.7×33.7cm
エッチング