コメント
「通常アトリエの中で、油絵の具で平面作品を作っているか、隣室の作業場で作品の基底材を作っている。作業が好きなせいか、一日中ゴリゴリやってたりする。89年まではテンペラで描いていたのだが、その頃は面相筆を片手に一日中絵に張り付いていた。根気は良い方なのだ。
それでも、自ら生み出した触覚的な手懸かりと身体的表現、イリュージョンを捨てた曖昧な空間を前に、いつのまにか目眩にも似た眠気に襲われ、うつらうつら夢の中に迷い込んでしまう毎日なのである。
その点版画は、絶対に眠くない。思うに、版画制作は様々なプロセスに分解されていて、眠気が分散されるためか、デリケートな作業が続き、普段ほとんど未使用の左脳が働かせられるせいだと思うのだがどうだろう。」
(作家コメント「眠気」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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