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2000年以後になると、大きな円や楕円をモチーフとしてさまざまな「色面」を見せるシルクスクリーン版画を制作し始める。
もちろん、ただの円や楕円の色面ではなく、その周辺にわずかに他の色の縁がはみ出している。(中略)ミニマリズムの色面作品というよりも、その色の微妙な重なりは、韓国の伝統的な生地セットン(虹色縞模様)の色使いを思わせるのである。
そして、近年は大画面の木版画を制作している。日本の現代版画では、イメージもフォルムもなく、ただ版面を彫り、その彫り跡を摺るといったミニマリズム的な作品は少ないが、韓国の現代美術では、むしろこうしたミニマルな表現をする作品の方が多いのである。つまり、マチエールとか素材の物質感というものへの美的関心が高いのである。
(版画芸術171号 「自然」または素材との対話(松山龍雄)より抜粋)
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