コメント
「時と機に叶った表現を求め、switch-onのONに写真と筆跡を重ね合わせ、アルミ版に刷ってパネルに張り、100~150号の大作を中心に発表し、10年を一区切りとした。その間、時代を象徴するもう一つの記号・道路標識で同様の試みをする。
近年、より自然に根差した表現をめざして、具体的な生命誕生の前提となる水(川・海)をテーマにする。広大な水平線を前にして、足もとで寄せては返す波、岩に砕けて風に散る波しぶきを見ていると、岩は地、波は水、天に火、吹く風、果てしない空と、仏に学んだ地水火風空の五大を思う。この身近な小さい場面は、宇宙生命が成住壊空を無始無終に展開していることを教えてくれる。それをらせん形の筆跡に入れてみた。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
略歴
- 1943年
- 室蘭市に生まれる
- 1968年
- 北海道大学農学部卒業
- 1969年
- スペイン、フランス留学(~71年)
- 1982年
- 個展(シロタ画廊・銀座、84年も)
- 1983年
- 個展(時計台ギャラリー・札幌、85年も)
- 1984年
- 第15回日本国際美術展(86、88、90年も)・88年賞候補、第5回現代版画コンクール展(大阪)・優秀賞
- 1985年
- 「イメージ・水」北海道の美術'85展・新人賞、第17回現代日本美術展・兵庫県立近代美術館賞
- 1987年
- 第2回和歌山版画ビエンナーレ展・佳作賞
- 1990年
- 現代の版画1999(渋谷区立松濤美術館)
- 1991年
- 第1回さっぽろ国際現代版画ビエンナーレ・準大賞
- 1993年
- 第2回さっぽろ国際現代版画ビエンナーレ展・スポンサー賞
- 1996年
- 個展(不二画廊・大阪)
作品紹介
《潮騒(しおさい)》
1997年 162×227cm
アルミ版にシルクスクリーンで写真製版