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「『草木も寝る』と言われる丑三つ時、最も虫たちが活発になる時間。外敵から開放され、自由を手にした彼らは、せっせと逢瀬をくり返す。
一転、日が昇り、草木が生気を取りもどす頃、鳥がさえずり、別の虫たちが生死をかけた戦いを繰り広げる。ふりそそぐ、天の恵みのもと。
事実は視点が変わることで異なった解釈をする。人の理念のもと、近代文明や現代社会が築きあげられたとしたら、理念の違いによって、全く違う社会を読みとるのであろう。この差異が様々なコミニュケーションを生むが、同時に、問題を生じさせる根源にもなっている。
<dual life>はこの意を含め、2つの社会がとなり合わせで同居していることを指し示している。それをなるべく具体的かつ克明に描いて表現したい。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1961年
- 愛知県・名古屋市に生まれる
- 1986年
- 愛知県立芸術大学大学院油画専攻修了
- 1996年
- 文化庁国内研修員
- 1999年
- 台湾国際版画ビエンナーレ・銀賞(台湾)、ノルウェー国際版画トリエンナーレ・トリエンナーレ賞(ノルウェー)。
アーティストインレジデンスに参加、シルパコーン芸術大学(タイ)にて客員研究員として6ヶ月間研究制作を行う。
- 2005年
- クラコウ国際版画トリエンナーレ・ワルシャワ芸術アカデミー理事長賞(ポーランド)
- 2007年
- スプリットグラフィックビエンナーレ・特別賞(クロアチア)
- 2009年
- バンコク国際版画トリエンナーレ・特別優秀賞(12年買上賞)
その他個展、グループ展多数
作品紹介
《dual life'99》
1999年 63×84.5cm
リトエッチング
《positive》
2004年 72×58.4cm
印画紙に焼付、アクリルマウント
《mig》
2008年 70×100cm
印画紙に焼付、アクリルマウント