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「どこからともなく忍び寄る夜が
沈黙の書斎から光を奪っていく
閉ざされた室内を埋めつくしている
雑多な書物や品々は
その時を待ちわびていたかのようだ
いつしか、それぞれが
やけに饒舌に自分自身の物語を語り始めた
闇を流離う魂はその物語に呼応するかのように
やがて、夢幻のもうひとつの夜へと
旅立ちを決心する
と、その瞬間闇の書斎は
まるでムーンストーンの煌めきのような
淡い光に包み込まれていく
その光線に誘われ魂の新たなる旅は始まる」(作家コメント「書斎からの旅」『版画年鑑1999』阿部出版より)
略歴
- 1952年
- 水戸市に生まれる
- 1975年
- 東海大学教養学部芸術学科卒業
- 1976年
- 創形美術学校版画科研究科修了
- 1977年
- 第45回日本版画協会展・新人賞
- 1978年
- 詩画集『天の夢』刊行
- 1981年
- 版画集『哀燈夜話』刊行
- 1982年
- 第50回日本版画協会展・第50回記念賞
- 1984年
- 版画集『街燈夜想1』、詩画集『山音』刊行
- 1991年
- 個展(茨城県つくば美術館)
- 1993年
- 今日の水戸の美術─2(水戸市立博物館)
- 1994年
- 日本の木口木版画展(板橋区立美術館)
- 1995年
- 文化庁派遣芸術家在外研修員(イタリア滞在)
- 2001年
- 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神谷町)
作品紹介
《書斎からの旅》
1998年 19.3×12.2cm
木口木版