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「玄関を出て右に坂を下りてゆくと、私鉄の線路にぶつかる。鋭角な角を折れ、煎餅屋の前、雪カキの跡がいつも凍っている。アスファルトにコビリついた氷でスケートができるかも知れない。朝6時、スケート靴を履いてみる。凹凸の氷の上を10mも滑るとアスファルトを削る。8時を過ぎて東京の氷はグズグスと溶けてゆく。日曜日、それでも人通りは増え、小さな羞恥心と共に家に帰る。みそ汁をすすりながら受ける家人のあきれ顔の心地良さ、八つか九つの頃。そのような感じ。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1965年
- 東京都板橋区に生まれる
- 1992年
- 東京芸術大学卒業、版画「期待の新人作家」大賞展・大賞
- 1993年
- TOKYOまちだ国際版画展(町田市立国際版画美術館)
- 1994年
- 現代日本美術展・96年佳作賞、クラコウ国際版画トリエンナーレ(ポーランド)
- 1996年
- 絵画の方向'96展(大阪府立現代美術センター)
- 1997年
- リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(スロベニア)
- 1998年
- VOCA'98(上野の森美術館)
- 1999年
- オーストラリア文部省におけるアーティストインレジデンスに参加、個展(ランデッグファームハウス、Inn Galerie・チロル)、グループ展 野田哲也、中林忠良、三塩英春(Die Kleine Galerie・ウィーン)
作品紹介
《作品'99 〈浮いたところ〉》
1999年 100×120cm
木版拓摺り、雲母