望月 通陽(もちづき みちあき)MOCHIZUKI Michiaki
作家名

望月 通陽(もちづき みちあき)MOCHIZUKI Michiaki

ジャンル
シルクスクリーン(孔版)  人物  抽象  

コメント

 「馴染みの古道具屋で、鰻を引っかけるための鉄の棒を買った。70センチ程の緩やかなカーブを持ち、先端の鋭い3本の爪がこちら側に向かって小さく曲がっている。波を滑る舟や、冬空に広がる枯枝のような形をしたこの棒を持ってみると、なるほどこれなら川底に潜む鰻でも、難なく捕獲できそうである。部屋中に深い水を想定して、幾度も鰻の手応えを楽しんだ。おそらくこんなにも美しい道具が導いてくれるのなら、辛い労働もどんなにか豊かな充足に満ちていたことだろう。今ではすっかり錆びてしまい、床に眠ったままでいるけれど、手にする度に、和らぐ思いがする。  私の絵にもなにがしか、心の用途を与えたなら、この道具のように、健やかでふくよかな、充実した曲線を持つことができるのかもしれない。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)

略歴

1953年
静岡市に生まれる
1972年
県立静岡工業高等学校工芸科卒業

作品紹介

《エマオの休む枝》

《エマオの休む枝》

1999年 24×34.5cm

型染

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