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「スペクトラムは、視覚的に見えない光を表現したものであり、一つの存在する<かたち>です。スペクトラムは、外界にあるものとして見る人に受けとられ、空間世界に存在します。空間は存在の根源であり、存在の事実を形成します。存在するものは全て空間をもち、スペクトラムは固有の空間構造をもつ光の形です。作品は、色の知覚と線の意識が結合し、現実を経験します。色と線の結合としての知覚表現、その上に立つ創造はその色と線に直接結びついており、知覚はそのものの色と形を結びつける精神的な作業です。 スペクトラムは無限の空間としての背景を予想し、背景の間に距離が存在します。背景はスペクトラムの位置を確定し、スペクトラムの存在に関わる限り、背景をなすものは、スペクトラムをもって初めて在り方を完成します。言いかえると作品を自分の前に置いて、初めて自分自身が存在することができるのです。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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