コメント
「私はこれまで、自分がいつどこにいたのかという記録を基本コンセプトに制作してきました。
そのコンセプトを形にするのに郵便や切手の形式を選んだことで、版画の展覧会に出品させていただく機会が幾度かありましたが、私には版画を作っているという意識はあまりありません。けれども意識する、しないにかかわらず、私は版画的資質を十分持っているのかもしれません。
作家活動を始める以前からグラフィックデザインの業務に携わっており、印刷物というマルチプルに長く接してきて、紙とインクとの付合いが気に入っていたという事実、ひとつのフォーマットのもとに同じ作業を繰り返したり、同じ作品が複数存在することに単純に喜びや安堵を感じるあたり、まさしく版画的体質といえそうです。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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