コメント
「ひとりの静かな時間が好きな私にとって、夜のしじまに腐蝕液という不思議なブラックボックスを覗きこむ一時はなんとも楽しい時間である。この摩訶不思議な手法は何事にも暖味を好む私には丁度良いものとなって久しいが、最近はこの手法を用いた<霏霏>という植物の生態からイメージした作品を展開させている。<霏霏>の語源は雨や雪が深々と降り続くさまというものだが、私は生命が永い間、昏々と静かな命の火を絶やさずに生きている様子をこの言葉に重ね見ている。子供の頃から植物に囲れた静寂な環境が、自然と私にこのようなことを思想の源にさせるのかもしれないが、これからもこの言葉なき静かな命は私の心に限りないイメージの世界を作り出す鍵になってゆくだろうと感じている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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