コメント
「エッチングの紙にくいつく強靱なマチエールと、メゾチントの精緻で深い黒に魅せられて銅版画の世界に入ってから、最近ではエッチング、アクアチントで腐蝕した版に、コラグラフ、カーボランダムの描く、盛る、削る、などの直接的な技法が加わり、版そのものが壁のような重厚なマチエール作りをしています。インクを詰め、プレス機を通す、拓本をとるときのような気持で版画の制作をしています。<壁の記憶>シリーズが始まったのも、このような重厚で強靱なマチエールが欲しかったからです。
壁のもつ時間と記憶の断片を痕跡として、重厚で確かな手応えのある作品を作りたいと思っています。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1943年
- 山梨県に生まれる
- 1971年
- 武蔵野美術大学卒業
- 1984年
- 第10回クラコウ国際版画ビエンナーレ(ポーランド、86、97年招待)・85年最高賞、86年国立美術館買上賞
- 1986年
- 第8回ノルウェー国際版画ビエンナーレ(招待)・ノルウェー現代美術館買上
- 1988年
- 現代日本の版画8人展(GRAFISKA SALLSKAPET・スウェーデン)、現代日本の版画10人展(JOHN SZOKE GALLERY・ニューヨーク)
- 1990年
- 第4回中華民国国際版画ビエンナーレ(台北)・台北近代美術館賞
- 1993年
- マーストリヒト国際版画ビエンナーレ(オランダ)
- 1996年
- 第11回フレヘン国際版画トリエンナーレ(ドイツ、99年も)
- 1997年
- 個展(ギャラリーSAINT NICOLAS・ルクセンブルグ)、第4回シャマリエール国際版画トリエンナーレ(招待個展・フランス)
- 2001年
- 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神保町)