コメント
「本州最東端の尻屋崎は、すばらしい所だ。
一日中、波と景色を見ていても飽きない。しかし、ひとたび天気が変わると凄まじく、墨色の世界となる。この絵では、それを表現しようとした。できるだけ説明的にならないように、面で構成することにした。波の凄まじさを面で表現すると、尻屋崎が死んでしまい、何枚もの版をだめにした。初心に戻り、水の性質から考え、液体は飛び散った瞬間、最小の体積、つまり球状になることを思い出し、それでいこうと思った。それが、波が来た後にすぐできる波の形とも合った。また、バックの尻屋崎も死ななくて済み、次の絵のヒントともなってくる。絵は、それの繰り返しで、少しずつ良い物ができてくると思っている。」
(作家コメント「波の形」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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