コメント
「日常の中で、時折『私を見て』というように、物質が素晴しく光って見えることがあります。すかさず、写真に撮ったり、スケッチしたりしておくのですが、後日改めて見直すと、すっかり色褪せていることが多いのです。でも、たまに何日も何年もたっても『私を描いて』と囁くものが残ることがあります。順に描き始めるのですが、手仕事なので進行が遅く、『もう少し待ってて』と呟きながら制作して行きます。
作品のイメージは、常に自分の中で、すでに決まっていて、ただかたち(現実)が、追いつけないだけ(遅れて来る)ですが、遅れて来る分だけ沈黙化して、存在が強固になります。しかし、実際の作品の上では、現実よりもより存在が強くなるよう苦心しています。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
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