コメント
「過去、現在、未来、無限に続く時の連鎖の中で、私たちは一つの小さな時の環を所有しているに過ぎない。人の歴史の中で、常に畏怖の対象であると同時に、多くの恩恵に預かり、命綱である、水、大地、火、風など、その自然の形象にいつも私は捉えられている。私の版画作品の多くは自然の様々な環境の中にささやかな人工物を配置することによって成り立っている。現実の風景の中ではほとんど見落とされてしまうほどの小さな行為によって自然に参加する。写真に撮り、シルクスクリーンの写真製版技法によって平面に置き換える。平面に置き換えることによって初めて現われてくる光景もあるのだと思う。時の痕跡、物の推積、その歴史的時間と、個の生きている瞬間的な時の交差を1枚の平面の中に表わしてみたい。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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