コメント
《Cloud Ⅴ》の特徴的な画面をよく見ると、中央左に小さく宙に浮かんだ塔のような建物が浮かんでいる。しかし、あくまでも画面の主役は、渦巻くように流れていく「雲」である。
(中略)
2001年からのヨコ長の作品をみていくと、描いている側の「視点」が徐々に宙に上がっていることに気が付く。作家の身体ごと宙に浮き上がっている感覚なのである。現在では、作家の視点は「雲」と同じ水平軸まで上昇してしまっている。
2010年からは、この実体があるのかないのかわからない「雲」そのものに取り組んでいる。考えようによっては、これはもはや禅問答のようなテーマである。(後略)
(版画芸術166号 「地面を離れて空へと浮遊する」(松山龍雄)より抜粋)
略歴
関連書籍