コメント
「20代の頃、鍬やコップ等を描いていた。道具としての機能と形の面白さからだったが、だんだん画面からは具体的な形は消え、機能の結果だけが形となって現れてきた。例えば、鍬で断裁した物やコップの染み跡だったりだ。
また、以前吉野ヶ里の発掘現場に立った。其処で見た色々な穴の跡が残る堅く黄色い地面にググッとくるものがあり、早々エンボスのあるリトグラフにする。
ここ10年ぐらい、キャストペーパーを使った作品が多くなった。リトグラフと併用もしている。キャストペーパーの形はその時々で、構築物のようであったり、家族のようであったり、何の意味もない形だったりする。
どうも僕の作るモノの形は、人の匂い跡を見ようとして出てくるのかも知れないな。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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