コメント
「日ごろ視線は、宙をさまよい焦点が定まらない。さて、制作モードに入るやいなや1mmが無限に膨張する、というよりも1mmの世界に入り込み、焦点がどこもかしこも合い始める。できるだけ焦点距離をのばし振れ幅に心を乗せる。見え過ぎることの死角を警戒しつつ......。
20年以上も前、ひたすら見ることで形を探すことから、はじめて音からのイメージで作品化を試みた......タイトル"NOVEMBER STEPS"あざとい作品である。抽象することのよろこびととまどい......。近年、ZoneシリーズからLandscapeシリーズへ移行しさらにWeatheringへと考えている。いや、移行ではなく<広がり>と思いたい。確信の形が見えてくるほどに画面から形がうせてゆく、なぜなら作品のフォルムそのものがわたしの見つけた形なのだから。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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