コメント
「夢絵日記をつけだしてだいぶ経つ。4歳から14歳まで住んでいた札幌の長屋風の借家付近が舞台になっていることが多い。家のすぐ真裏が屠殺場だった所で、壊れかけたタイル張りのプール状の中に溜まった雨水に、手をピンク色に染めながら、蛙やミズスマシなどを取っていたのを思い出す。すぐ近くにいつも馬が繋がれていて、こいつももう少し前に生まれていたらこの中に入っていたかもしれないと思うと、妙な気がしたものだ。昼はとても静かなのに夜になると蛙の大合唱で、とても眠るどころではなかった。少し前、父に実はそこは蒲鉾工場だったと聞かされた。僕としては鏡さんちの兄ちゃんやミツル君が言っていた方が本当だったと思っている。今となっては確認のしようがないけれども......。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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