コメント
「ここ数年、月、星のある風景を主に制作している。戦後の幼年期、しばらく田舎では燃費節減の為、『もらい湯』という習慣があって、近くの親戚同志が交代でたがいのふろを使いに往き来していた。暗い田舎の田んぼ道では、月を見上げ、星と対話するしか小才がなく、明日の希いを星に託す家族の語らいの場でもあった。その後、都市へ移って生活は一変するが、フトしたことで信州の山中に住まうことになって最初の夜、空には星が満ちて新たな生活の不安を払拭してくれた。信州での10年は美しき星の再発見、星と過ごしたといってもよい。現在は、東京住まいでほとんど見えないが、終焉の地は、こぼれるような星くずが手に届きそうな場所であったらと祈っている。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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