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「私が作品と向かい合うとき、現存在としての自身と、外的に現存する自己を意識します。過去の自身が表現として刻み込まれている作品が現存在であるという事実、つまり内在する過去も現在の意味として存在していることを知るとき、作品は視る者をして思考するように迫る積極的な自律的存在でありえます。それは自己へ問いかける存在者として過去の自己への断絶を要求するが故に、創造の行為が連続性を求めるのだと考えます。<わたしのかたち>とは、問いかけによって感情の真理が過去と現在の意識に潜在する内容を現存によって還元し、現出させることへの肯定的な姿勢であり、自身が存在のうちにとり囲まれていることの認識の確認作業によるかたちであるといえるでしょう。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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