コメント
「私が私自身の肉体をことさら強く意識してきたのは、幼い頃から病弱だったことによるのかも知れない。13歳の頃あやうく一命を落すところを救われ、また人生で最も多感な人格形成時の18歳からの2年間の闘病生活。このことが私の私以外のもの(人や物や風景や)を見る目を、ほんのちょっとずらしたのだと思える。幼い頃の臨死体験は肉体の脆さを自覚させたし、あの2年間に及ぶ病院生活が再度自分の肉体の脆さと、闘病に敗れて死んでゆく同じ棟の知人たちの葬儀に臨んだあのむなしさが、私の視覚を常に自分の肉体からしか他を見ざるを得ないような視覚に形作ったのだろうと思える。そんな所から私は作品を作っている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
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