コメント
「伝えたい言葉がある。なのにうまく伝えられない。言葉を形に変えようと思うのだけれど、言葉の形が見つからない。言葉は仮のカタチを借りることになる。
時々、声を聞くことがある。それは風のささやきのようなもの。筆を持ったとき、何の前触れもなく風が吹く。
きっと良い知らせに決まっているのに、聞き逃してしまう悔しさがある。声は仮のカタチを借りることになる。
時々、見えることがある。ぼんやりと見えることがある。まるで記憶に残らない形として、それは眠りに落ちる瞬間に現れる。また仮のカタチを借りることになる。
それでも、やはり、それでも......。伝えたい言葉、風のような声、目を閉じたときに見えたもの。そんなものをカタチにしたいと思っている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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