作家名

ポール・デルヴォー Paul Delvaux

ジャンル
モノトーン  リトグラフ  人物    銅版  風景  

コメント

 デルヴォーの版画が、もともとは普及版として描かれたものであれ、油彩とは異なる表現主義的な特徴を持つものであれ、デルヴォー独特の世界観は健在である。夜空には満月が輝き、廃墟となったギリシャ神殿や建物のないドアを照らし出している。この不思議な静寂に満ちた世界に路面電車や機関車が走り、同じような顔をした裸の女性や、花飾りの帽子を被った女性がさまよっている。(中略)彼女たちはこの不思議な世界の中でデルヴォーが目覚めながら見る夢を、いつまでも演じ続けているのである。
(版画芸術173号 ポール・デルヴォーと版画(高瀬晴之)より抜粋)

略歴

1897年
ベルギーに生まれる
1916年
ブリュッセル美術アカデミー入学、建築学を学ぶ
1919年
風景画家フランツ・クルテンスに才能を認められ、王立アカデミー美術科に入学
1934年
キリコやマグリットの影響を受け、シュルレアリスム絵画を始める
1960年
工房でエッチングを数点試みる
1966年
この頃、リトグラフ技法を習得し、本格的に版画制作を始める
1975年
東京、京都の国立近代美術館で日本初の回顧展開催
1983年
ベルギーのサンティデスバルドにデルヴォー美術館が開館
1994年
96歳で没

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