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「先日、怪しいくらい美しい月を見た。
ココは都会の中にある窓ひとつ開かないえんぴつビル。
いつもの目線の高さとは違い、妙に雲に近づいた場所だが、何故か月に質感はなく、褐色の光がガラス窓の向こうにたまっている。
月はこの世にたったひとつ。
波長、温度によって違った表情をみせる。
自分のことを考えた。
同じ人でも体温が違う。この体温は制作や物事に対するもので、人間の体温ではない。
私はどのくらいの体温を持っているのだろうか?
ビルの上でふっと考えた。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
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