コメント
「5月の晴れた日、山並みの青がまぶしく、母と私は山道を登り始めた。一陣の風が吹くと、木立は一斉に枝葉を揺るがせ、ふるえる葉末は光と影の時を刻んでいた。思わずカメラを抱えた身体が風の乱舞に乗って大きくスウィングする。一瞬閉ざされた視界と聴覚は闇に落ち、真空の時が流れゆく。超時間、無意識の時のたわみに立つ。と、俄に葉ずれの音に鳥の声が明るく響いて遠のいた。フィルムにはリアルな光の色が残された。かたちの余韻がひろがる。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
略歴
- 1952年
- 神戸市に生まれる
- 1979年
- 大阪教育大学大学院教育学研究科修了
- 1980年
- 第3回世界版画コンペティション・特別買上賞
- 1981年
- 第1回西武美術館版画大賞展・優秀賞
- 1984年
- 第15回日本国際美術展・富山県立近代美術館賞
- 1985年
- 第17回現代日本美術展・群馬県立近代美術館賞、1985日本の版画展(栃木県立美術館)
- 1988年
- 第17回日本国際美術展・東京国立近代美術館賞、第5回咲くやこの花賞
- 1990年
- シガ・アニュアル'90-写真による現代版画(滋賀県立近代美術館)
- 1993年
- 第1回アジアパシフィック現代美術トリエンナーレ
- 1995年
- 抽象美術へのいざない(国立国際美術館)
- 1996年
- もうひとつの写真(東京都写真美術館)
- 1998年
- 20世紀の線描(東京国立近代美術館)
作品紹介
《光の間》
1998年 220×275cm
NECOプリント