コメント
「あらゆるモノを用いた制作が始まったんです。ライト・アートやプラスチックを用いたのもその頃です。しかし今度は、具体的な、〈Concrete〉な素材をどう料理するかということが問題になってきた。ただものを置くだけじゃ人は認めてくれない――。たとえば皿の上にコップが乗っていて、それが自分にとって意味を持っているとすれば、それを人に知らせる手段として虹を塗る方法を思いついたんです。ですから虹を塗るというのは僕にとってはものを捕まえる手段だったわけです。(中略)
僕はものを創造しないと決めているのです。あるものに虹をかける。尊敬するルソーやゴーギャンの作品にもかけた。そのストライプ自体は創造でも何でもないわけです。(中略)僕にとっての版画とは極めてコンセプチュアルなものです。問題なのは何をメッセージするかなのです。」
(『版画藝術』第87号より)
《「虹のアーチスト」として国際的に知られる靉嘔。デモクラート・瑛九との出会いによって版画に目覚めた彼は、以来今日に至るまで版画というメディアの可能性に注目しつづけてきました。》
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