コメント
「私の作品は、シュールな半具象風景である。曲線の繰り返しで区切られた形は、曲線グラデーションを執拗に繰り返すことで、『赤い有機体』は自らの中より発熱したように赤く火照り輝く。
現在の私の作品群は、1988年以来続く『赤い有機体』の形態を人格化することによって、シリーズを重ねてきた。
火照った『赤い有機体』は、椅子に座ったり、服を着たりして、私の用意した舞台で舞い踊る日を待っている。
眠っている間に私の頭の中で膨らんだイメージは普遍な物語を期待している。『赤い有機体』を人格化するにあたっては、宗教の精神、エピソード等に題を採ることで連想される場面を演出してきた。近作では、さらに精神性と物語性を重視し<見る版画>から<読む版画>に脱皮しようと<赤い有機体>を磨いている。」
(作家コメント「赤い有機体」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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