コメント
「1995年以降異国に、しかも様々な人種と社会が問題を抱えながらも共存している国に住むようになって、それは同時に進行する異なる時間と空間が存在することを肌で強く実感するようになってから、私の視つめるものは大きく変わったといえる。今、私にあるものは異邦人として時の流れを傍観する自分、しかしながらその社会の一員として生活する個人の時間、日本人としての立場と国籍、時差のある遠い故郷、近くのそして遠くの全く異なった習慣を持つ友人たち......。その中で私は自分が何者であるかという問いが無意味であることを知った。私が今、視つめているものは人間のエゴイズムを全て包み込んでしまう自然の法則、即ち<生>という有限な時間と、<時間>という無限の概念である。」(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
略歴
- 1962年
- 群馬県に生まれる
- 1987年
- 日本版画協会展・受賞(88年も)、多数の国内外のコンクール等に出品、個展等により以後発表
- 1988年
- 創形美術学校研究科版画課程修了
- 1991年
- 文化庁国内研修員、研究テーマ"自然と人間"
- 1995年
- 渡仏。パリ国際芸術家会館にて2年間滞在、制作Galerie Michele Broutta、La Hune Brenner、ENPREINTES等パリの画廊、画商を通じて発表
拠点をヨーロッパに移す
- 2000年
- 個展(Galerie La Hune Brenner・パリ)
- 2001年
- 個展(Multiple Impressions・ニューヨーク)、第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神谷町)
作品紹介
《Simultaneite-Les Vegetaux Renaissent 2000-IX》
2000年 91×126cm
モノ・エッチング