コメント
「人は、いかなる時代に生きていようとも、その時代に心から満足してはいないと思う。特に芸術家は、時代に対する不満や、不安や、批判、そして怒り、心の奥底のどこかにある微かな蠢きにも似た鬱積ゆえに様々な作品が生みだされるのだろう。 私も、その鬱積ゆえに<版>を刻みつづけているように思う。刻みつづけた結果としての作品......。
食事をして排泄する如くに......。私にとっては、結果としての作品よりむしろ、怒りや哀しみや、あるいは不安ゆえにただ刻みつづける。そのひたすらの行為にこそ意味があるのかもしれない。 最近、そんな気がしてならない。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)
略歴
- 1944年
- 島根県に生まれる
- 1976年
- 版画グランプリ展(第7回~12回、第9、10、12回優秀賞)
- 1978年
- 第2回現代版画大賞展・優秀賞、81年リュブリアナ国際版画ビエンナーレ(14、17、20、21回)
- 1982年
- 第2回ソウル国際ミニチュア版画ビエンナーレ・大賞
- 1983年
- 第1回東京セントラル美術館版画大賞展・佳作賞、中華民国国際版画ビエンナーレ(第1、2、5回)
- 1985年
- 和歌山版画ビエンナーレ(第1回~5回、第3回展優秀賞・第4回・5回展売上賞)
- 1989年
- 第19回現代日本美術展・ブリヂストン美術館賞
- 1990年
- 第1回高知国際版画トリエンナーレ・佳作賞、第16回日仏現代美術展・優秀賞
- 1991年
- 大阪トリエンナーレ1991─版画・特別賞、93年高知国際版画トリエンナーレ・大賞
- 1997年
- 大阪トリエンナーレ1997─版画・銀賞
- 2001年
- 第46回CWAJ現代版画展(東京アメリカンクラブ・神谷町)
作品紹介
《蘇生の刻-群舞97・3C-》12枚組
1997年 85×114cm
木口木版