コメント
「版木を彫り上げたあとで部屋を片付けるとき、削りくずの多さにおどろくことがある。長い年月をかけて大きくなった樹木をこんなことにしてしまってよいのだろうかと考える。
大きな樹木の中を昇って行く水の音を聞いたことがある。何故かほーっとした気分になったのを覚えている。
山の頂きに青い野原があり、1本の大きな木が立っているのを見たりすると、それだけで安らかな気分になる。少なくとも僕の版木になって削られたり彫られたりするよりも、山の上で青葉を繁らしていたほうが絶対に良いに決まっている。大きな木が立っているときのように、安らかなほーっとする世界を、僕の木版画が宿していてくれれば良いと想っている。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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