コメント
「父は織物を作っていた。織機部屋、道具類が渾然と置かれた部屋、何だか分からない薄暗がりと空気の淀み。家の中は、子供の私には恐しくもあり、また好奇心を呼ぶ場所でもあった。周りには糸を染める為の何種類もの草木が鬱蒼と茂り、それぞれの木と季節ごとの遊びをした。藪や茂みの神秘を感じての暮らし。
そんな原風景が、私の線へのこだわりとして表れている気がする。具体的な形を使わず、線や色そのものを見せる方法で制作し続けている。明解に言葉には置き換えられない部分を、版に直接<描く>ということが、自分のかたちだと思う。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1947年
- 東京・八王子に生まれる
- 1972年
- 武蔵野美術大学油絵科卒業
- 1974年
- モダンアート協会展・奨励賞(77、80年・部門賞)
- 1980年
- 第11回版画グランプリ展・賞候補一席
- 1981年
- 第15回現代日本美術展(93、94年も)
- 1983年
- 第14回版画グランプリ展・賞候補、第1回中華民国国際版画ビエンナーレ(85、89、91年も)
- 1988年
- 文化庁派遣芸術家在外研修員(オランダ)
- 1991年
- クラコウ国際版画トリエンナーレ(94、97年も)
- 1994年
- 第3回ベオグラード国際版画ビエンナーレ(94年1等賞、96、98年も)
- 1997年
- 第9回ヴァルナ国際版画ビエンナーレ(99年も)、ポートランド美術館国際版画展・買上賞
- 1998年
- 第5回カリニングラード国際版画ビエンナーレ10年祭
- 1999年
- 個展(ヴィア・ギャラリー、デン・ハーグ・オランダ、ナイメーヘン市美術センター・オランダ)
- 2003年
- 個展(日仏会館エントランスホール・東京)
- 2004年
- 個展・The Gallery of Contemporary Fine Art-NIS(ニシュ・セルビア)、Art Gallery Crystal D(02年も、ハーグ・オランダ)
- 2005年
- 現代版画の潮流展(町田市立国際版画美術館、松本市立美術館)
- 2008年
- 第1回イスタンブール国際版画ビエンナーレ展(トルコ)
- 2009年
- 第15回ヴァルナ国際版画ビエンナーレ展(97、99、01、03、05、07年も・ブルガリア)
- 2012年
- 個展(巷房・東京)
作品紹介
《WL・99-1》
1999年 51×79 cm
リトグラフ
《CL・11-2》
2011年 63×90 cm
リトグラフ
《CL・11-14》
2011年 90×63 cm
リトグラフ