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作家名

西岡文彦(にしおかふみひこ)NISHIOKA Fumihiko

ジャンル
モダン  人物  

コメント

 以来、師森義利は「脱工芸」を目指して涙ぐましいまでの苦闘を展開することになる。(略)型絵染の手法を排した、いわば純正の合羽刷の確立は、師森義利の悲願でもあったのだろう。
 こちらとしては、さしたる考えもなしに合羽刷の可能性を模索し続け、ようやく手法としての基盤を整えた感を得るまでに40年近くを費やしていた。その原理は前述の通り、和紙に切り抜いた穴を通して絵の具を刷り込む、という単純なもの。つまりは穴の形で描く、ということに尽きるのだが、この単純さがじつに奥が深くて難渋させられる。
 たかが穴されど穴と、型紙相手に苦労するうち、自他共に認める不徳の弟子の私が、いつの間にやら師命を全うすることを生涯の課題としてしまっているあたり、伝統的な徒弟性の持っている深みというものがあるのかも知れない。
(版画芸術158号 フォーカス・アイ 「純正合羽刷の復興」より)

略歴

1952年に生まれる。

1971年
柳宗悦門下の版画家森義利に入門、伝統技法「合羽刷」を徒弟制にて習得。
1977年
日本版画協会展・新人賞
1978年
国展・新人賞
1979年
雑誌『遊』の表紙絵担当を機に出版分野に転身、美術関連の書籍や番組を多く手掛ける。
2003年
個展(銀座・養清堂画廊)
2005年
リュブリアナ国際版画ビエンナーレ50周年記念展招待出品。
2012年
個展(銀座・養清堂画廊)

作品紹介

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《飛行術の兄弟 5》

1977年 68×94cm

合羽刷

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《華厳 Ⅱ》

2005年 41×59cm

合羽刷

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《目覚めよと》

2012年 34×25cm

合羽刷

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