コメント
「自然の中を分け入って歩く。湿潤な大気、自然の織り成す造形のただ中に我が身を置くとき、ある瞬間そこに融け入るような、五感が揺らぐ感覚をおぼえることがある。幾何形態で空間が区切られた都会の片隅でも、例えば街路樹の微かな揺らぎの中で、それは小さく身体を突き抜けていく。版から生まれてくるものを、私のかたちを、見失うまいと幾度も線を重ねる。やがてその絶対的一瞬は訪れる。無限のはたらきをひき連れて。そうして私は静かに納得して興奮する。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
略歴
- 1963年
- 東京都に生まれる
- 1988年
- 女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻(版画)卒業
- 1992年
- 第60回記念日本版画協会展・日本版画協会賞
- 1993年
- 第12回安田火災美術財団奨励賞展・新作優秀賞
- 第70回記念春陽展・春陽会賞
- 1994年
- 第23回現代日本美術展・館側県立近代美術館賞
- 文化庁芸術インターンシップ研修員
- 1997年
- 国際版画展・映像シンポジウム「Sightlines」・招待出品(カナダ)
- 2001年
- 「現代日本の版画展」(グアナファト州立博物館・メキシコ ほか巡回)
- 2005年
- 「現代版画の潮流展」(町田市立国際版画美術館、松本市美術館・長野)
- 2008年
- 「アジア国際版画展」(国立国父記念館・台湾)
- 2011年
- 「SKY-2011 アジア版/版画展」(国立台北藝術大学關渡美術館・台湾)
- 2014年
- 第9回高知国際版画トリエンナーレ展・佳作賞
作品紹介
《薫風》
1997年 65×46.5cm
リトグラフ、箔
《爽》
2015年 73.5×56.5cm
リトグラフ