コメント
「人は自然に対してあまりに非力なのだけれど、その中に身をおくことにより、つつみ込まれるようにやすらぐ。
私の版画は、まず自然の景観に身をゆだね、スケッチを重ねることからはじまる。泰然とした山の存在、崖や丘のたたずまいから受けた多くのものを一つ一つ確認しながら色や形を抽出し、版木を彫る。浮世絵版画と同じような作業でありながら、西洋絵画の洗礼を受け、また、創作版画の先達によって開拓された木版表現の可能性をさらに次の時代に受け渡すにふさわしい表現とはなにかを模索する。水性絵具は、その重なりが、空気、岩、木々、水面となり、和紙に摺り込まれた色や形から、自然の雄大さの一片でも表出できればと願いながら......。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より)
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