コメント
「伝えたい言葉がある。なのにうまく伝えられない。言葉を形に変えようと思うのだけれど、言葉の形が見つからない。言葉は仮のカタチを借りることになる。
時々、声を聞くことがある。それは風のささやきのようなもの。筆を持ったとき、何の前触れもなく風が吹く。
きっと良い知らせに決まっているのに、聞き逃してしまう悔しさがある。声は仮のカタチを借りることになる。
時々、見えることがある。ぼんやりと見えることがある。まるで記憶に残らない形として、それは眠りに落ちる瞬間に現れる。また仮のカタチを借りることになる。
それでも、やはり、それでも......。伝えたい言葉、風のような声、目を閉じたときに見えたもの。そんなものをカタチにしたいと思っている。」
（作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2000』阿部出版より）
略歴
- 1953年
- 横須賀市に生まれる
- 1979年
- 多摩美術大学絵画科油画専攻卒業
- 1983年
- 第1回カボ・フリオ国際版画ビエンナーレ（ブラジル、85年名誉賞）
- 1985年
- 神奈川県美術展（85、89年特別奨励賞。88、91年特選。94年神奈川県立近代美術館賞）
- 1990年
- 第18回日本国際美術展・ブリヂストン美術館賞
- 1992年
- 現代日本の版画と写真の展開（コンスタンツァ美術館他）、第21回現代日本美術展・国立国際美術館賞（93年和歌山県立近代美術館賞。95年横浜美術館賞）
- 2010年
- 個展「藤田修―深遠なるモノローグ」（横須賀美術館）
- 2013年
- 「街の記憶・写真と現代美術でたどるヨコスカ」（横須賀美術館）
作品紹介
関連書籍
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