コメント
――(略)実際の人間のスケールを超える大きさで、頭部だけが描かれています。
彫刻の場合も、これまで頭部は実際の大きさよりも小さめにつくっていたのですが、(略)彫刻と版画では、できたものへの感じ方は違うのですが、版画に感じたのは、すごく近寄って見ている感覚ですね。(略)こちらが近寄らせてもらって、顔に対峙しているような空気感になったと思いました。
――サンドペーパーを使用して、版にダイナミックに階調をつくっていく制作風景が印象的でした。
(略)メゾチントの銅版は、版全体に深く傷がつけられていて、それ自体が「立体的」といえます。単純な平面ではなく、奥行きがある。ですから、木彫で一枚ずつ皮を削ぐように作品を彫っていくのと似た感覚があった気がします。今までつくった版画の中で、一番彫刻に近い制作だったと思いますね。
(版画芸術159号 フォーカス・アイ「今までの中で、一番彫刻に近い版画制作」より インタビュー・辺見 海)
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