齋藤カオル(さいとうかおる)SAITO Kaoru
作家名

齋藤カオル(さいとうかおる)SAITO Kaoru

ジャンル
  銅版  風景  

コメント

 「猫の絵を頼まれた。筋向かいの家が猫好きなので、たくさんの飼い猫や野良猫がゴロゴロウロウロしている。向かいの家の物置の屋根で毛繕いしたり、道路に寝そべって日向ぼっこをしたり、わが家の庭で喧嘩したりする。
 どんな絵にするか。黒と白の効果を狙って黒猫と白布の組み合わせを考えた。まずほっそりして器量の良いシャムっぽいのに白羽の矢を立てた。下図でいろいろひねってみたが猫のおさまりが悪い。猫が細いから黒の面積が不足して面白くない。太猫モデルには事欠かないからどんどん太らせていった。シャムがペルシャ風に変わって器量まで妙ちきりんになってしまった。額縁屋の親父は、うちの猫にそっくりですよとニコニコしたが、どうも注文主のオバサンの顔にそっくりになった。
 知ってか知らずか、オバサンはでき上がった絵を喜んで持って帰った。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑1999』阿部出版より)

略歴

1932年
神奈川県に生まれる
1949年
アカデミー46美術研究所修了
1972年
春陽会賞
1974年
春陽会会員
1982年
(~91年)版画集『源氏物語』(西武百貨店)刊行
1984年
個展(ニューヨーク・ヴォーパル画廊)、個展(ワシントンD.C.・ジャッジ画廊)
1986年
個展(ビバリーヒルズ・ロバートソン画廊)、カーネギーメロン大学で版画セミナー
1990年
個展(バンクーバ・ロバートソン画廊)、個展(シアトル・アズマ画廊)
1995年
(~97年)春陽会理事長
1998年
水墨画・版画展(東武百貨店)

作品紹介

《錦繍渡月橋》

《錦繍渡月橋》

1998年 36.5×40cm

メゾチント

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