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合羽摺版画と歌舞伎、この二つと出合ったのは、もの心がつく前から。気がつけば当然のように自分を取り巻き、制作を始めたときは、何のとまどいもなく選んでいて。ただ、歌舞伎をはっきり意識したのが、小学生の頃見た「勧進帳」の富樫左衛門、死を覚悟の見得が美しく、のめり込む羽目に。お陰で描くのも、男ばかり。合羽摺を意識したのは、トールマン夫妻と出会ったとき、そして、日本独特のものが消え行く今、あらためて。
合羽摺の環境は厳しくなっているも、歌舞伎との相性も良いようで、好いてくれる人がいる限り、のめり込む。
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
略歴
- 1959年
- 東京都に生まれる
- 1982年
- 日本大学法学部卒業
- 1984年
- 父・髙橋功(版画家)、母・添田敏子(型染作家)より型染技法の指導を受け、制作を始める
- 1986年
- サロン・ドートンヌ展(グラン・パレ・パリ)
- 1990年
- オッジ国際美術賞展・優秀賞(フランス)
- 1992年
- ナパ国際ミニチュア版画展・買上賞(カリフォルニア)
- 1997年
- 個展(ザ・トールマンコレクション・シンガポール)
- 2011年
- 収蔵版画展(ボストン美術館・アメリカ)
- 2016年
- 『合羽版・型染を作ろう』(阿部出版)刊行
作品紹介
《龍》
2000年 48.5×84.5cm
合羽摺
《尼子十勇士》
2010年 49×171cm
合羽摺
《花川戸》
2016年 74.5×47.5cm
合羽摺