コメント
「ふいに胸を掴まれることがある。
半音下るオルゴールの音色や、人の真摯や、でんしんぼうの佇いや、舞台の闇。無限と思える雲の連なり。
早逝の人が残した言葉の断片だったりする。
見過ごすわけにはいかないそれらを、そっと懐にしまいこむ。
待ち続けるかたち。胸のすくかたち。哀切なかたち。潔いかたち。懐かしいかたち。切実なかたち。
銅板の上で上手く形になってくれるときもあるが、ならない事の方がずっと多く、自身もまた、過去になるまでそんなかたちを追っかけているにちがいない。
生き死にを繰り返す、人の何気ない日常に見え隠れする。儚きかたちこそ、私の表現の秘密である。」
(作家コメント「わたしのかたち」『版画年鑑2001』阿部出版より)
略歴
- 1960年
- 大阪府に生まれる
- 1981年
- 成安女子短期大学卒業、以後白虎社にて踊り手として舞台活動(~86年)
- 1992年
- 個展(番画廊・大阪、93、95、97、99年も)、第4回ミヤコ版画賞展(都画廊・大阪)・都賞、第5回入賞、第6回大賞
- 1994年
- 第10回現代版画コンクール展(大阪府立現代美術センター、96年第11回、第2000年13回も)・98年第12回優秀賞
- 1997年
- 個展(都画廊)
- 1998年
- 第1回神戸版画・ビエンナーレ展・入選、個展(ガレリア・グラフィカbis・銀座)
- 1999年
- 第1回山本県版画大賞展、個展(ギャラリー美游館、番画廊)
- 2001年
- 個展(番画廊)
- 2002年
- 第5回高知国際版画トリエンナーレ展、個展(天野画廊)
- 2003年
- 個展(番画廊)
- 2004年
- "angels"水彩展 近鉄百貨店(阿倍野)アートサロン
- 2005年
- 第73回日本版画協会展、京都版画2005 日本・タイ国際版画展、個展(番画廊)
- 2006年
- 個展(ギャラリー美游館、ギャラリー八十川)、画集『moon』発行