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作家名

渡辺千尋(わたなべちひろ)WATANABE Chihiro

ジャンル
モダン  モノトーン  人物  抽象  銅版  風景  

コメント

  十年間、ビュランを握って刻印した作品を一冊の画集として出版しました。題して『象の風景』。(中略)
 われわれ現代人は生活するに忙しく、ビュランに多大な時間を注ぎ込むほどの余裕を持てなくなっていることと、なによりもビュランでなくてはならぬ必然、内的喚起の喪失感とが相まって"作業"に意味を見い出しにくくなっているのです。ですから、かなりの意欲と覚悟をもってしか、その現代というクレバスを超えることができません。
 そんなビュラン作業に支配され続けてきた僕は、今、そこからの逃走と、態勢の立て直しを迫られ、その意味での画集発刊でもありました。(中略)
"象"とは、人の中に棲む太古の記憶、大地の襞、空の呼吸、その轟きが人の観念の前に風景としてふと立ち上がるもの――です。
(版画芸術66号「現代とビュラン」より作家コメント一部抜粋)

略歴

1944年
東京に生まれる
1965年
桑沢デザイン研究所卒業
1978年
独学でエングレーヴィングを始める。
1979年
第47回日本版画協会展・奨励賞
1988年
『象の風景 渡辺千尋銅版画集』刊行(用美社)
1993年
個展(ポーランド、チェコ)
1994年
『ざくろの空―頓珍漢人形伝』で第1回蓮如賞を受賞(95年河出書房新社)
1996年
長崎県南高来郡有家町(現・南島原市)の依頼で銅版画《セビリアの聖母》の復刻を手がける
2001年
『殉教の刻印』刊行(小学館)、同書で第8回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。同年、メゾチントの発表を始める
2009年
64歳で逝去
2013年
回顧展(練馬区立美術館、長崎県美術館)

作品紹介

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《奇妙な来客》

1978年 28.4×18.4cm

エングレーヴィング、雁皮刷り

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《空の森》

1987年 24.2×36.6cm

エングレーヴィング

《長崎情景(殉教の丘から)》

2005年 18×45.4cm

メゾチント

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